持久走大会で最下位になるとどうなるのか?【後編】
どうも!!次代が生んだスーパースター、ちぐざいるです!!
僕の通っていた高校の持久走大会が17キロという
あり得ない距離だったので体力のない僕は
むしろ最下位を目指すことにする。
しかし、実際最下位を狙うのも難しく、
本当に一生懸命頑張っても立ち止まってしまう子が
たくさんいた。
それくらい17キロというのは果てしない距離なのだ。
それでも持ち前の演技力でヘロヘロなふりをして
最下位をキープし続けた。
そして走り始めて(歩き始めて)2時間以上経った頃
すでに持久走大会が終わったのであろう女子たちが
応援にきた。
(女子は3キロくらいだったからねえ)
『がんばれ〜っ』
と黄色い声援が飛ぶ中、後ろめたさも感じつつ
小走りに歩き続けた。
僕らが目指すのはあくまで最下位なのだ。
しかし、そんな状況についに朝潮が
裏切り行為に出る。
いきなりダッシュをしだして僕とハヤカワくんを
置いてスピードを上げだした。
外野たちの声援に耐えきれなくなったのであろう。
しかしここまできて目標を未達で終えるわけにはいかず
ぼくとハヤカワくんはあくまでペースを上げず
バテバテのふりをして小走りで女子ゾーンを
くぐり抜ける。
そして徐々にゴール地点が見えてきた頃、
今度はもうとっくにゴールをしたのであろう
屈強な体育会系の男子たちがたくさん
コースの脇に群がっているではないか。
え。僕たちを応援するために集まっててくれてるのか‥
昼間とはいえまだまだ寒い真冬の川沿いで
こんな力を抜いて走って(歩いて)いる
僕らを応援してくれるなんて、、
ふとスタート前に何度も言われた先生達の言葉がよぎった。
『つらければ辛いだけゴールした時の感動は大きいぞ。』
僕らはゴールした時、感動できるのであろうか‥
わざと最下位なんかになって何が残るのであろうか‥
そう思うと罪悪感でいっぱいになった。
そしてゴールをしたのであろう人たちがいる前を
申し訳無い気持ちいっぱいで通り過ぎようとした時
目の前に何かが飛んできた。
よく見ると
え?!ペットボトル?!
振り返ると無数のペットボトルが僕らめがけて飛んできた。
投げているのは応援してくれているはずの
ゴールした男子達である。
え?差し入れかな??
しかし何か叫んでいる。
よく聞くと
『テメェらのせいで帰れねえじゃねーか!!はやくしろ!!』
みんな集まっていたのは応援でもなんでもない。
はやく帰りたかっただけだった。
そしてゴールをした瞬間、周りはみんな敵でした。
おしまい。